(2017/7/31)

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はじめに

 湘南キャンパスの欅の木陰が真夏の太陽を和らげ、流れる風が心地よい季節となりました。国セン発メール便、今月もナットクの3本の記事をお届けします。


もくじ

(1)  リレートーク
 「誇り高く、かっこよく。」
 佐藤 浩一

(2) 「生きる力」ありますか
 鈴木広子

(3)国セン情報
 日本人学生と留学生のコラボによる
第2回中国語スピーチコンテスト「登竜門」

(4)編集後記

(1) リレートーク
 「誇り高く、かっこよく。」
 佐藤 浩一

  東海大学に着任する前の話である。別な大学で、私は中国古典文学を担当していた。100名を超す受講生の中に、ベルギーからの交換留学生N君がいて、ちょうど帰り道が一緒だった日、駅前の寿司屋で彼を夕食に誘った。陽気なN君とは話がはずみ、実に痛快なひと時となった。とりわけて忘れがたいのが、「ねえ、N君。日本の大学に来て、いちばん違いに驚いたことはある?」という私の問いに対する彼の答えであった。N君は流暢な日本語で言った。「いちばん驚いたのは、学生が授業中に居眠りすることです。ヨーロッパの大学ではありえません。」なんということか! 私はよくぞ言ってくれたと固く彼と握手をかわした。

 なるほど日本の大学生は、居眠りが多いようである。私自身が学生だったときも、その手の輩(やから)は確かにいた。隣りの友人が確信犯的に居眠りを始めたので、シャーペンで突っついて起こした記憶がある。大学教員になってからも、突っ伏して寝ようとする学生がいると近付いて行き、「体調わるいの?」と聞いて起こすことにしている。もしも会社員がこんな突っ伏して寝たら、一瞬にして信用を失うので、まずやらない。学生だから見かける光景だと言えるだろう。

 だからと言って、良いはずがない。何より見っともない。日本の学生は、ヨーロッパの学生がいかにカッコ良く、いかに精神的に大人であるかを思い知るべきである。そして情緒も無い。居眠りにも情緒が必要である。ペンを持ったまま白眼をむき、カクンカクンと座らぬ首で、寝落ちすまいと踏ん張る姿。それくらい健気であってこそ、周囲も気づかぬふりをしようというものだ。さらに居眠りは感染する。睡眠欲は人間の三大欲求ゆえに、近くでこれをやられると、程度の差こそあれ影響を受ける。その結果、他者まで眠くなっては、まことに迷惑な話である。

 一つ見方を変えてみよう。君の貯金はいくらか。仮に30万としよう。頑張って稼いだ誇り高き大金だ。しかし大学の学費は、もっと高額だ。誇り高き大金の価値を知る君ならば、それより更に高い学費を親御さんが払ってくださる意味を、充分に理解できるはずだ。君に対してだからこそ払える愛の深さだ、と。ところがその大金で、居眠りしていると聞けば、親御さんはどんなに心を痛めるだろう。150万払わなくても出来るのに。居眠りなんて。

 教員も、最高の授業をしてみせる。だから学生も、最高の受講で臨めばいい。誇り高くてかっこいい姿が、東海大学の学生にはよく似合う。

プロフィール
(さとう こういち)
 東海大学国際教育センター准教授。早稲田大学第一文学部中国文学専修卒業、早稲田大学大学院文学研究科中国語中国文学専攻博士後期課程修了。文学博士。中国語教育・中国古典文学・日本漢学の研究と教育に従事。日本中国学会賞(2007年)、東海大学ティーチングアワード(2011年)。共著に『教養のための中国古典文学史』(研文出版)、『教科書で出会った古文・漢文100』(新潮文庫)等がある。

(2) 「生きる力」ありますか
  鈴木広子

 「生きる力」という言葉を聞いたことがありますか。”zest for living”はその英訳です。zestは熱意やエネルギーがあることなので、「生きる力」とは日々の生活を熱く生き抜くというイメージなのでしょうか。文部科学省が教育の方針を示している「学習指導要領」には、小学校から高校までの生徒の「生きる力」を育てることを目標に掲げています。

 小さい子どもは、次から次へと新しい遊びを発明し、遊ぶことに没頭しています。本来、人間は「生きる力」が備わり、積極的に試行錯誤して前進する動物なのかもしれません。でも、大学生のときの私は「生きる力」が小さい、弱い人間でした。そのことに気づかせてくれたのはアメリカへの留学です。

 卒業旅行と称して大学の同級生とハワイで遊び、ホノルル空港で別れました。ひとり、不安だらけの私は、サンフランシスコ空港でなんとか乗換え、ペンシルバニア州のピッツバーグへ、無事、留学先の大学に着きました。学生寮の管理人から部屋の鍵をもらい、夕食は大学のダイニング・ホールでと言われました。でも、日が落ちてしまった森をひとりで通り抜け、どこにあるかわからない大学キャンパス内のダイニング・ホールに行って、英語で注文する、想像しただけで「無理」と決めました。結局、寮の一階にあるドラッグ・ストアでポテト・チップを買って、部屋で食べました。

 翌朝、アドバイザーの教授に会いに寮を出ると、この片田舎の街を走る車は、日産とToyotaばかりでした。1980年代、映画Back to the Futureの景色そのもの、商魂たくましい日本人の姿を見た気がしました。ここから弱い私の孤独な闘いが始まります。声がでないほど緊張していても、とにかくわからないことを先生に聞きに行きました。図書館では授業の録音を聞いてから40ページほどのリーディング課題をやるために10時間ぐらい居座ります。そして、夜道を歩くのは非常に危険なのですが、午後11時頃図書館を出て「死んでたまるもんか」と思いながら寮に帰りました。週末には洗濯、料理もしなくてはならない、歯医者、腰痛の状態を伝えるのも英語、英語で脅迫電話もかかってくることもありました。

 生活するということは自分から問題解決していくことなんだと、生まれて初めて実感しました。また、母国の情勢が悪いために留学という逃避手段をとっている学生も少なくなく、「帰りたい」とぼやいているのは日本人だけでした。日本は安全で経済的に安定している国だから安心して留学していられるのです。日本人仲間とその幸運についてよく話し合いました。「生きる」ために自分は何をしたらよいのか。そのことを知るために、留学やボランティア活動を通して、自分の存在を外側から知ることは、今後の皆さんの生き方を考えるきっかけになると思います。

キャンパス内の森、Oak Grobe

プロフィール
(すずき ひろこ)
 東海大学教育開発研究センター教授。センターでは「学び」、とくに大学生がどのような学び方をしたらいいのかを研究している。基礎英語の授業を担当。世界遠征するような体育会の学生が授業でも集中して学んでいる姿を見て、文武両道を目標としている東海大学の学生を誇りに思っている。2歳半からバレエを始めたが、最近は40年ぶりぐらいに、ジムでヒップ・ホップやバレエのレッスンを受けている。Bruno Marsが現在のお気に入り。

(3) 国セン情報


日本人学生と留学生のコラボによる
第2回中国語スピーチコンテスト


 2017年7月7日(金)17時より、湘南校舎1号館のグローバルアゴラにて、第2回中国語スピーチコンテスト「登竜門」が開催されました。今回は、会場・審査集計を佐藤先生、9名の出場学生のスピーチ指導を張国生先生、司会進行指導を森山が担当し、開催に向け準備を進めました。

 特定プログラム履修生を中心とする9名の出場学生は、それぞれの経験に基づいた内容をもとにスピーチしました。部活への情熱を語った「最高の一瞬にすべてをかける」や「チャレンジしてみよう」「環境が私の性格を変えた」「人の輪」など勇気を出して一歩踏み出したことにより変われた自分について語ったもの、中国での失敗談から外国語習得の心得を説いたもの、中華学校出身者として日本人の持つ中国人に対する偏見を解消するために、日中の架橋となるべくどんなことが出来るのかを考えたスピーチもありました。1年生ながら綺麗な発音で聴衆を魅了したスピーカーや中国人顔負けの身振り手振りで熱く語ったスピーカーもおり会場を沸かせました。

 審査の結果、第1位は文学部3年の興津圭太さん、第2位は文学部3年の尾身はるなさんとなり、秋学期開催の外国語スピーチコンテストの出場権を獲得されました。次いで第3位は観光学部1年の葛彩恵さん、第4位は観光学部3年の金熙元さん、工学部3年の橋本明季さんとなりました。

 今回の登竜門の特徴は、全体を中日2言語による進行とし、聴衆の大部分を占める日本人学生には中国語の、留学生には日本語のリスニングの学びの場になるよう工夫した点です。司会は情報理工学部4年の安田裕美さんが中国語、工学部1年の杜明,気鵑日本語で行いました。二人は発音練習から直前のリハーサルまで、時間を割いて入念な練習を重ねられ、当日は流ちょうな学習言語を操り、安定した進行をして下さいました。また審査の間には、別科日本語研修課程の陳俊霖さんが、日本人学生が分かるように、ゆっくりと聞き取りやすい中国語で、楽しい台湾紹介をして下さり、会場を大いに盛り上げて下さいました。

 今回出場された意欲溢れる9名のスピーカー及び協力者の安田さん、杜さん、陳さん、そしてお忙しい中観に来て下さった石井宏明先生に心から感謝申し上げます。谢谢大家!

(文責:国際言語教育部門 森山美紀子)


(4)編集後記

 最近、カセットテープやレコードを愛用する若い人たちが増えてきたという。デジタルの音の方が、周波数特性もよいし、ノイズも遙かに少ない。筆者も気がつけば、自宅ではカセットデッキで音楽を聴いている。デジタルの音は音質が良すぎて、耳に入り過ぎるというか、私には少々ノイズが入った程度の音の方が落ち着く。生まれながらにデジタル機器に囲まれた、いわゆるデジタルネイティブの若い人たちも、デジタルにはないカセットやレコードの心地よさ、柔らかさを感じているのかもしれない。スペックの高いものを追求するだけでは何かが足りない。教育にも何か通じるものがあるかもしれないと考える今日この頃である。(Y.Y.)


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